個人事業主のふるさと納税、上限額はどう決まる?経費と申告の注意点【2026年】

領収書の束と赤丸を付けた確定申告書を前に、ふるさと納税と経費をどう書くか考え込む個人事業主の男性 ふるさと納税全般
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会社員なら、源泉徴収票の金額を楽天ふるさと納税のシミュレーターに入れれば、上限額の目安が出ます。
個人事業主のふるさと納税は、その入口で手が止まりやすくなります。
源泉徴収票はなく、売上も経費も自分の帳簿の中にあるからです。

売上をそのまま入れるのか、利益なのか。
寄付は、経費にできるものなのでしょうか。

確定申告では何をすればいいのか。
寄付する前にはっきりさせたいのに、どこから手を付ければいいのか分からない。
そんな状態ではありませんか。

私の解釈では、上限額を考える出発点は、売上ではなく、売上から経費を引いた「事業所得」です。
寄付は事業の経費ではなく寄附金控除で扱う、というのが大手の解説で一致した考え方で、控除は確定申告で受けます。

  • 出発点の数字:売上ではなく、事業所得(売上-経費)で考えます。
  • 経費の扱い:寄付は事業の経費ではなく、寄附金控除で扱う考え方が一般的です。
  • 手続き:確定申告で寄附金控除を受けます。ワンストップ特例は使えません。

\ 事業所得を入れれば、詳細版で上限額の目安が出る /

国税庁・総務省の原文に書かれている範囲と、専門家の解説、そして私の解釈を分けて書きました。

会社員のかたの上限額はふるさと納税の上限額の確かめ方の記事に、源泉徴収票の見方は源泉徴収票の見方の記事にまとめています。

 

上限額の出し方を知りたい人は、事業所得から考える上限額へ。
寄付を経費にできるか迷っている人は、経費と事業主貸の考え方へ。
申告の流れを知りたい人は、確定申告の手順へ。

 

個人事業主のふるさと納税|メリットと注意点、会社員との違いを先に

個人事業主のふるさと納税|メリットと注意点、会社員との違いを先に

個人事業主向けの特別なルールは見当たりません。
会社員と違うのは、上限額の元になる数字の組み立てと、手続きの2点です。

税理士が監修するht-taxの解説は、個人事業主だけの特別なルールはない、と最初に断っています。
同じ制度の上で、何が変わるのかを先に整理します。

 

メリット

寄付をすると、返礼品を受け取れます。

使い道や応援したい自治体を、自分で選べるのも、この制度の魅力です。

お金の面では、寄付額から2,000円を引いた額が、寄附金控除の対象になります。
所得税法第78条第1項の式がこの形です(寄付の合計額が総所得金額などの合計の40%を超えるときは、40%分が上限)。
上限額の範囲内なら、実質の負担は2,000円で、返礼品が手元に残る、という見方ができます。

個人事業主には、もうひとつ便利な点があります。
アイデアソウケン(公認会計士・税理士の解説)が挙げているのは、確定申告の寄附金控除に記入するだけで、何件でもまとめて申請できることです。
毎年申告している人は、同じ申告書に1項目足すだけで済みます。

もっとも「節税」かどうかは、解説によって言い方が分かれます。
ht-taxとアイデアソウケンは、支払う総額は減らないので節税ではない、と書いています。

得を前に出す解説もあります。
事実は同じで、見せ方が違うだけです。

当サイトでは、得られるのは返礼品と「選べること」だと考えています。
その代わり、先にお金を払う必要があります。

 

注意点

個人事業主が気を付けたい点は、3つあります。

個人事業主が気を付けたい3つの点

  • 上限額を超えた分は、自己負担になる
  • ワンストップ特例は使えない
  • 控除を受けるまで、先に支払う必要がある

会社員より気を付けたいのが、上限額です。
事業所得は年末にならないと確定せず、見込みが外れると、超えやすくなります。
進め方は、後の章で整理します。

個人事業主に限らない、ふるさと納税そのもののメリットとデメリットも並べて見たい人は、こちらの記事へ。
寄付する前に、自分に当てはまる注意点を拾えます。

 

会社員との違い

違いが出る場所を、表にまとめました。

比べるところ 会社員 個人事業主
上限額の元になる数字 源泉徴収票の金額(楽天の詳細版では支払金額など3つ) 売上・経費・青色申告特別控除などから出す事業所得
確定申告 不要な人が多い(給与のみの場合など) 毎年する
ワンストップ特例 使える(総務省:確定申告の不要な給与所得者等で、寄付先は5団体まで) 使えない
寄付の経費計上 該当なし 経費ではなく寄附金控除で扱う(考え方は後の章)

ふるさと納税の仕組みそのものは、会社員と同じです。

違いは「数字の組み立て」にあります。
次の章で、事業所得を出してみましょう。

 

個人事業主のふるさと納税の上限額|売上ではなく事業所得から考える

個人事業主のふるさと納税の上限額|売上ではなく事業所得から考える

上限額の出発点は、売上ではなく、売上から経費を引いた事業所得、と考えるのが筋です。

ところが、これを個人事業主向けに明記した公式の文は、見つかりませんでした。
この章では、公式に書かれている部分と、解釈の部分を分けて進めます。

 

まず事業所得を出す

国税庁のNo.1350によると、事業所得の金額は「総収入金額-必要経費」で計算します。

必要経費は、収入を得るために直接必要な売上原価、販売費、管理費その他の費用です。
家事上の経費は含まれません。

数字の例で歩いてみます。
売上800万円、経費300万円の人なら、次のとおりです。
金額は説明のための例なので、ご自身の数字に置き換えて読めます。

ステップ 求めるもの 例の金額 出どころ
1 売上(総収入金額) 800万円 自分の帳簿
2 必要経費 300万円 自分の帳簿
3 事業所得(青色申告特別控除の前) 500万円 国税庁 No.1350の式
4 青色申告特別控除を引く 次の章 国税庁 No.2072

 

上限額の式と、公式が個人事業主に触れていない点

総務省のふるさと納税の説明では、控除は「所得税の控除」「住民税の基本分」「住民税の特例分」の3つです。

特例分は、住民税の所得割額の2割が限度とされています。

寄附金控除の式は、所得税法第78条第1項にあります。
寄付の合計額のうち、2,000円を超える部分が対象です。

一方、総務省の「税金の控除について」「よくある質問」と、国税庁No.1155の本文には、「事業所得」「個人事業」「青色」の語が見当たりません。
楽天ふるさと納税の目安表にも、事業者の方の控除限度額は表とは異なる、という注意書きがあるだけです。

公式は、個人事業主の計算を具体的には案内していない、ということです。
総務省のよくある質問は、具体的な上限額の計算を、住民税を担当する市区町村に尋ねるよう案内しています。

ここからは解釈です。
こう読むのが自然です。

寄附金控除の式は、総所得金額を土台にしています。
事業所得はその一部に入るので、まず事業所得を出し、所得控除を引いたあとの住民税の所得割額で上限が決まる、という筋道になります。

確実に言えるのはここまで。
あとは詳細版の試算で見当を付けます。

 

目安の見方

上限額の目安は、解説によって言い方が分かれます。

  • 住民税の所得割額の約20%を目安にする(クレディセゾン、FinFin、ふるなび、アイデアソウケン)
  • 詳細版で算出し、その8〜9割で寄付する(ht-tax)

約20%は、公式の「特例分は所得割額の2割が限度」と似た数字です。
とはいえ、公式の2割は特例分の限度で、上限額そのものの目安とは別の話かもしれません。
アイデアソウケンも、所得税率によって実際の枠は目安より大きくなりうる、と添えています。

どちらも公式の数字ではなく、書き手の経験則です。
当サイトでは、約20%で当たりを付け、詳細版で試算して、余裕を持って寄付する流れをすすめます。

 

準備する数字

ふるさとバイブルの個人事業主向けシミュレーターは、入力欄が、そのまま「把握しておく数字」の一覧になっています。

試算の前に手元にそろえる数字

  • 売上と経費
  • 青色申告特別控除の額(白色申告かどうかも)
  • 専従者給与
  • 家族構成
  • 社会保険料
  • 各種の所得控除

決算書や申告書の控えを手元に置くと、入力が止まりません。

 

楽天の詳細版でシミュレーションする

楽天ふるさと納税のかんたんシミュレーターは、給与所得者が対象です。

個人事業主は、詳細版でシミュレーションします。

詳細版には、「個人事業主」の入力項目についての案内があります。
事業で得た所得は、事業所得の欄に入力する、という内容です。
詳しい説明は、項目名の右側の「?」マークから見られます。

所得の欄には、事業所得のほかに、不動産所得、一時所得、雑所得、配当所得などの項目が並んでいます。
給与のほかに収入がある人は、該当する欄に入れる形です。
基本情報には、源泉徴収票の金額を入れる項目(支払金額など)もあります。

事業所得の金額が出たら、詳細版で自分の目安を見てみましょう。
控除の前後のどちらを入れるかは、次の章の終わりで。

\ 事業所得の欄に入れて、自分の目安を出す /

事業所得が出たら、次は青色申告特別控除で所得がどう変わるかを見ます。

 

個人事業主のふるさと納税|青色申告特別控除で上限額が変わる理由

個人事業主のふるさと納税|青色申告特別控除で上限額が変わる理由

青色申告特別控除の額が大きいほど、事業所得は小さくなります。
上限額の元も、同じ向きに小さくなると考えられます。

控除の金額と要件は、国税庁の原文に書かれています。
上限額への効き方は解釈なので、分けて書きます。

 

控除の金額と要件

国税庁のNo.2072は、青色申告特別控除を「所得金額から55万円(一定の要件を満たす場合は65万円)または10万円を控除する」と定めています。

55万円と65万円の要件は、次のとおりです。

控除の額 国税庁の要件
55万円 事業所得などを営んでいる/複式簿記で記帳している/貸借対照表・損益計算書などを確定申告書に添付し、期限(翌年3月15日)までに提出する
65万円 55万円の要件に加えて、電子帳簿保存を行うか、e-Taxで申告書などを送信する

65万円の要件は、電子帳簿保存か、e-Taxの「どちらか」です。
e-Taxが必須と書く解説も見かけますが、取得した範囲の国税庁の原文では、どちらか、という形でした。

 

控除額ごとの事業所得

前の章の例(売上800万円、経費300万円、差し引き500万円)に、控除を当てはめてみます。

申告の区分 青色申告特別控除 控除後の事業所得(例)
白色申告(控除なし) 0円 500万円
青色申告(10万円の控除) 10万円 490万円
青色申告(55万円の控除) 55万円 445万円
青色申告(65万円の控除) 65万円 435万円

控除は青色申告者の特典なので、白色申告では0円として並べています。
これは当サイトの整理です。

 

控除額が上限額に効く筋道

控除は所得金額から引かれます。

所得が小さくなれば、住民税の所得割額も小さくなり、そこから決まる上限額も下がる方向に動きます。

アイデアソウケンも、青色申告特別控除の額によって寄付の枠が変わる、控除が変わった年は上限額を見直す、という考えです。

それでも、控除が上限額に影響すると書いた公式の1文は見当たりませんでした。
ここまでは、当サイトの解釈です。

だからといって、上限を上げるために控除を減らすのが正解、という話ではありません。
大事なのは、自分の控除額で所得を出し直すことです。

楽天の詳細版の事業所得の欄に、青色申告特別控除を引く前の金額と引いた後の金額のどちらを入れるかは、私が確かめた範囲では、説明が見つかっていません。
欄の右側の「?」マークの案内で確かめてから入力してください。

所得が出ても、事業所得は年末まで確定しません。
次の章で、その年の寄付の進め方を決めます。

 

個人事業主のふるさと納税|所得が決まらない年末までの寄付の進め方

個人事業主のふるさと納税|所得が決まらない年末までの寄付の進め方

事業所得は年末の決算まで確定しないので、寄付の枠は見込みで決めます。

寄付は、1月から12月までの年単位で数えます(総務省)。
年の終わりに向けて、いつ、いくら寄付するかを選びます。

 

所得が確定しない難しさ

会社員は、給与の見通しが立てやすい人です。

事業所得は、売上も経費も月ごとに動くので、見通しを立てにくい人が多くなります。

FinFinは、月ごと、あるいは3か月ごとの小さな決算で、所得をつかんでおくよう勧めています。
ht-taxとアイデアソウケンも、所得が年末まで確定しない点を、注意点に挙げています。
見込みの精度が上がれば、枠を使い切りやすくなります。

今年の所得が読めないまま、いつの年収で考えればいいか迷う人は、こちらの記事へ。
年の途中で寄付を決めるときの、見込みの立て方が分かります。

 

2つの進め方

時期の考え方は、解説で分かれています。

進め方 考え方 メリット 注意点
二段構え 概算の8〜9割で早めに寄付し、年末に残りを調整する(アイデアソウケン) 上限を超えるおそれを小さくできる。返礼品の到着も分散する 年末に所得を見直す手間がある
年末近くに一括 年末近くに所得を見積もって寄付する。迷うときは少なめにする(FinFin) 見込みが固まってから決められる 返礼品が年末に集中して届く(アイデアソウケンの指摘)

どちらも書き手の判断で、公式の決まりではありません。
当サイトでは、二段構えが合う人が多いと考えます。

上限を超えるリスクを抑えられて、返礼品の到着も分かれるからです。
年末近く派の「迷ったら少なめに」にも、一理あります。

 

概算の取り方

最初の寄付の目安は、次の順で出せます。

最初の寄付の目安を出す5つの順番

  1. これまでの売上と経費から、年間の見込みを立てる
  2. 前の章の方法で、事業所得を出す
  3. 青色申告特別控除を引いた金額も出す
  4. 詳細版の事業所得の欄に入れる金額(控除の前か後か)は、欄の「?」の案内で見て、上限額の目安を出す
  5. その8〜9割を、最初の寄付の目安にする

8〜9割という幅は、ht-taxが示している経験則です。

 

2026年10月の制度変更は返礼品側の話

2026年10月には、ふるさと納税の制度の見直しがありました。

財務省の令和8年度税制改正の大綱によると、令和8年10月1日以後の指定から、自治体が寄附金のうち募集に使える費用を絞る基準が加わります。

変わるのは、自治体と返礼品の側です。
寄付する人の控除の仕組みと、上限額の式を変える改正ではありません。
返礼品の内容量や寄付額が変わる、取り扱いを終える品が出る、といった影響は、楽天などのポータルが案内しています。

アイデアソウケンは、この変更で選べる返礼品が減る可能性を、早めの寄付を勧める理由のひとつに挙げています。
対象かどうかは、気になる品の商品ページの案内で分かります。

進め方が決まったら、経費の扱いを次の章で整理します。

 

個人事業主のふるさと納税と経費|事業主貸の考え方と返礼品の扱い

個人事業主のふるさと納税と経費|事業主貸の考え方と返礼品の扱い

寄付は事業の必要経費に入れず、寄附金控除で扱う、というのが大手の解説で一致している考え方です。

公式が「寄附金は経費にならない」と明言した文は、私が調べた範囲ではありませんでした。
条文から読める範囲と、解説の考え方を分けて書きます。

 

寄付は必要経費にならない

国税庁のNo.1350は、必要経費を「収入を得るために直接必要な」費用と位置づけ、家事上の経費は必要経費にならない、という立場です。

所得税法第45条第1項第1号も、家事上の経費とこれに関連する経費で政令で定めるものは、必要経費に算入しない、と定めています。
政令(施行令第96条)は、事業に必要な部分を明らかに区分できる場合などを除く、という線引きを定めています。

確かめた範囲の条文(第45条第1項の冒頭と施行令第96条)に、「寄附金」「ふるさと納税」の語は出てきません。
一方、ふるなび公式ブログ、ht-tax、アイデアソウケン、クレディセゾンの4つは、揃って、ふるさと納税は経費にならない、という立場です。

理由を、私はこう解釈しています。
寄付は事業のための支出ではなく、個人の寄付です。
経費に入れてしまうと、寄附金控除と二重に効いてしまいます。

 

事業用の口座で払ったとき

事業用の口座やカードで寄付を払ったときは、「事業主貸」という科目で処理する、と大手の4記事が説明しています。

事業主貸は、事業のお金を、事業主個人のために使ったときの科目。

ふるなびの考え方にならって、事業用の口座から5万円を払った例を書くと、次のような形です。
金額は説明のための例です。

借方 貸方 金額(例)
事業主貸 普通預金(事業用) 50,000円

使う科目は、会計ソフトや顧問税理士の運用に合わせます。

 

返礼品を事業で使うとき

返礼品を事業用に使うときの処理は、解説によって分かれます。

ht-taxは、支出は個人の寄付として扱い、事業主貸にとどめる、という立場です。

※もっと踏み込んだ処理を紹介する解説もありますが、出典が示されていないので、ここでは取り上げません。

公式の1文も確かめられていないので、事業で使うかどうかで迷う人は、顧問税理士か税務署に相談して決めると安心です。

 

返礼品は一時所得

返礼品は、税金の面では一時所得に当たります。

総務省のよくある質問は、返礼品は一時所得に該当し、年間50万円を超える場合に、超えた額が課税の対象になると説明しています。

国税庁のNo.1490によると、一時所得の金額は「総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)」です。
その2分の1に相当する金額が、ほかの所得と合計されます。
No.1490の本文には、ふるさと納税や返礼品の語は出てきません。

返礼品の価値が年間で大きくなりそうな年は、申告の前に、税務署か税理士へ尋ねておく手があります。

寄付を経費に入れない前提で、次の章では確定申告の手順を見ます。

 

個人事業主のふるさと納税の確定申告|ワンストップ特例が使えない理由

個人事業主のふるさと納税の確定申告|ワンストップ特例が使えない理由

個人事業主は確定申告をするので、寄附金控除も確定申告で受けます。
ワンストップ特例は使えません。

毎年申告している人にとっては、同じ申告書に寄附金控除を1つ足す作業です。
手順を順に見ます。

 

ワンストップ特例が使えない理由

3つの公式の文を並べると、理由が見えてきます。

ワンストップ特例についての公式の3つの文

  • 総務省:ワンストップ特例は、確定申告の不要な給与所得者等が対象
  • 国税庁No.1155:確定申告をする方は、ふるさと納税の金額を寄附金控除の計算に含めて確定申告をする
  • 東京国税局:確定申告を行うと、ワンストップ特例の申請は無効になる

個人事業主を名指しした公式の説明は、ありません。
そのうえで、個人事業主は事業所得で確定申告をする人です。
上の3つを並べると、ワンストップ特例は使えない、と読めます。

 

確定申告での手順

ht-taxの解説は、年内の寄付から翌年の申告までを、時間の順に並べています。

それを参考に、流れをまとめました。

  1. 年内に寄付をして、受領証明書を保管する
  2. 翌年2〜3月に、確定申告をする(e-Tax、税理士、書面のいずれか)
  3. 寄附金控除を記入して、提出する

申告書には、寄附金受領証明書か、寄附金控除に関する証明書の添付が要ります(国税庁No.1150)。
令和3年分の申告からは、特定事業者が発行する年間の寄付額の証明書でも添付できるようになりました。
申告書のどこに書くかは、申告書の案内で分かります。

 

申告の時期

令和8年分の確定申告の期限は、令和9年3月15日(月)です(国税庁の納期等の一覧)。

寄付は年内に済ませ、受領証明書をそろえて、期限の前に申告します。
年末の期限は楽天の年末の期限の記事で確かめられます。

 

ワンストップ特例を出してしまった・忘れたとき

ワンストップ特例の申請書を出していても、確定申告をすれば、その申請は無効です。

この場合は、ほかの寄付も含めて、すべて確定申告に書きます。

申請書を出したか迷う人や、出し忘れた人は、ワンストップ特例を忘れたときの対処の記事へ。
確定申告で寄付の分を控除に入れる手順を、順に追えます。

手順が見えたら、次はよくある質問です。

 

個人事業主のふるさと納税|よくある質問

個人事業主のふるさと納税|よくある質問

個人事業主から出やすい疑問に、結論から答えます。

手続きの流れを先に知りたい人は、上の確定申告の章からどうぞ。

 

Q1. 個人事業主・自営業者でも、ふるさと納税はできますか?

できます。
個人事業主だけの特別なルールは見当たらず、会社員と同じ制度を使います。

違いが出るのは、上限額の元になる数字(事業所得)と、確定申告で控除を受ける手続きの2点です(上の「メリットと注意点」の章を参照)。
自営業者やフリーランスと呼ばれる人も、事業所得で確定申告をするなら、この記事の流れで考えられる、というのが当サイトの整理です。

 

Q2. 個人事業主は、ふるさと納税をしたほうがいいですか?

返礼品を受け取って、選ぶ楽しみがほしい人には向いていますが、「節税」にはなりません。

理由は上の「メリットと注意点」の章のとおりです。
実質の負担は2,000円で、その代わり、先にお金を払い、確定申告で控除を受ける手間がかかります。
この流れを負担と感じず、返礼品に魅力を感じるなら、始めてよいと考えます。

 

Q3. 個人事業主のふるさと納税の限度額は、いくらですか?

全員に当てはまる一つの金額はありません。
事業所得を出して、詳細版で試算します。

上限額は、売上や経費、青色申告特別控除、家族構成などで人によって変わります。
目安としては、住民税の所得割額の約20%で当たりを付ける解説が多くあります。

公式の数字ではないので、詳細版で試算して、その8〜9割から始めるのが安全です。
計算の流れは、上の「上限額」の章にまとめました。

 

Q4. 個人事業主は、ワンストップ特例を使えますか?

使えません。
確定申告で寄附金控除を受けます。

総務省は、ワンストップ特例の対象を、確定申告の不要な給与所得者等としています。
理由と手順は、上の「確定申告」の章にまとめました。

 

Q5. 個人事業主向けの、年収別の早見表はありますか?

楽天の目安表は給与所得者向けで、事業者の方は表とは異なる、と案内されています。
事業所得を出して、詳細版で試算します。

会社員向けの年収別の表は、年収別の上限額の目安で見られます。

 

Q6. 事業用の口座やクレジットカードで寄付してもいいですか?

事業の経費にはせず、個人の寄付として事業主貸で処理する、という解説が一致しています。

科目の選び方は、上の「事業用の口座で払ったとき」の節のとおり、顧問税理士か会計ソフトに合わせます。

 

Q7. 令和8年10月の制度変更で、上限額は変わりますか?

上限額の式を変える改正ではないと読めます。

2026年10月の変更は、返礼品を出す自治体の側の基準の見直しです。
給与収入が約1億円以上の高所得の人には、2027年の寄付から別の定額上限が加わる、とふるさとチョイスが案内しています。
個人事業主の水準にこの上限が関わるかは、公式の文では述べられていません。

 

Q8. 「必要経費の厳格化」は、事業の経費に関係しますか?

関係しません。
自治体が寄附金から募集に使える費用の話です。

事業の必要経費(国税庁No.1350)とは別物。
名前が似ているので、取り違えやすい点です。

 

Q9. 会社員で副業の収入もある場合は、どう考えますか?

副業の所得も含めて考えます。

楽天の詳細版には、給与のほかの所得を入れる欄があります。

※副業が事業所得と雑所得のどちらに当たるかの判断は、ここでは取り上げません。

給与と副業の両方がある人の入力のしかたは、上限額の確かめ方の記事へ。
源泉徴収票の金額と、給与以外の所得の欄の入れ方を確かめられます。

 

個人事業主のふるさと納税のまとめ|所得を出してから寄付に進む

個人事業主のふるさと納税は、売上ではなく、事業所得を出すところから始めます。

公式が明記しているのは、事業所得の式、青色申告特別控除の額と要件、寄附金控除の式、確定申告で控除を受けること、までです。
上限額が事業所得で決まるという筋道と、経費に入れないという考え方は、解説と私の解釈で補いました。

まず、売上と経費から事業所得を出し、詳細版で自分の目安を確かめましょう。
そして、その8〜9割から寄付を始めてください。

目安を出す入口は、楽天の詳細版シミュレーターです。
年内に済ませたい人は、楽天の年末の期限の記事で、期限を見ておくと安心です。

目安が出たら、寄付する品を選びましょう。
よく選ばれている品から比べたい人は、楽天ふるさと納税の人気ランキングの記事へ。
寄付額ごとに、枠に合う品を探せる記事です。

楽天ふるさと納税のトップから、直接探すこともできます。

\ 今年の控除に入るのは、12月31日までの寄付 /

※上限額の目安は、条件によって変わります。
最終的な判断は、税務署・税理士・お住まいの市区町村にご確認ください。

この記事は、2026年10月21日(本記事の調査日)時点の情報をもとに作成しています。

出典

ほかに参考にした解説

  • ふるなび公式ブログ(経費・仕訳の解説)
  • FinFin(フリーランスのふるさと納税の解説)
  • クレディセゾン(個人事業主のふるさと納税の解説)
  • ふるさとバイブル(個人事業主向けシミュレーターの入力欄)