退職金が振り込まれて、通帳の数字は今年がいちばん大きくなりました。
でも給与は、辞めた月までしか出ていません。
「今年のふるさと納税の上限はいくら?」「退職金のぶん、いつもより多めに寄付していいの?」と迷っている方へ、退職月ごとの目安を表にしました。
退職金はふるさと納税の上限に入りません。
今年の上限は、退職するまでの給与で決まります。
- 退職金は受け取るときに税金が引かれて終わるので、上限を増やさない
- 目安は退職月で大きく変わる(月給50万円・独身なら9月末で約5.2万円、3月末ならほぼ0円)→ 退職月別の目安表
- 今年寄付した分は、来年届く住民税から引かれる
- 年の途中で辞めた人は確定申告になりやすく、ワンストップ特例が使えないことがある
\ 今年の控除に入るのは12月31日までの寄付 /
自分の上限の目安を知りたい人は、退職月別の目安表へ。
来年が無職になる人は、退職翌年の考え方へ。
手続きが気になる人は、確定申告とワンストップへ。
ふるさと納税と退職金|退職金は上限額に入らない

退職金は受け取るときに税金が引かれて精算が終わる(分離課税)ため、ふるさと納税の上限の計算に入りません。
年金の形で受け取る場合など一部の例外は、よくある質問で取り上げます。
退職金がいくら多くても、ふるさと納税の上限は増えません。
退職金は受け取ったときに税金が引かれて終わる
会社に「退職所得の受給に関する申告書」を出していれば、退職金の税金は受け取るときに引かれて済みます。
そのため、退職金のために確定申告をする必要は原則ありません。
たとえるなら、退職金は給与とは別の財布です。
その財布は受け取った時点で精算が終わっているので、ふるさと納税で引ける税金の枠には加わりません。
ふるさと納税の上限を決めるのは、給与などにかかる住民税のほうです。
退職金にかかった住民税は、その計算の外にあります。
退職金を当てにした寄付は自己負担になる
「退職金が入ったから、今年は大きく寄付しよう」と上限を超えて寄付すると、超えた分はそのまま自分の負担です。
引ける税金が増えていないので、多く寄付しても戻ってくる額は給与で決まる上限まで。
せっかくの返礼品が、2,000円では届かなくなります。
上限がなぜ人によって違うのかは、こちらで仕組みから確かめられます。
ふるさと納税の上限は退職までの給与で決まる

退職した年の上限は、1月から退職までにもらった給与だけで決まります。
年収が下がった分、上限も下がると考えてください。
見るのは給与の源泉徴収票。
退職所得の源泉徴収票は使いません。
給与の源泉徴収票の「支払金額」を見る
退職すると、会社から源泉徴収票が2種類届くことがあります。
取り違えやすいので、並べて見てみましょう。
- 給与所得の源泉徴収票:1月から退職までの給与。上限の計算に使う
- 退職所得の源泉徴収票:退職金。上限の計算には使わない
使うのは「給与所得」と書かれたほうの「支払金額」です。
手元にまだ無ければ、1月から退職月までの給与明細の総支給額を足せば、見積もりには十分です。
退職後に国保・国民年金を払うと上限は下がる
退職後に国民健康保険や国民年金の保険料を払うと、その額は控除になります。
控除が増えれば住民税が減り、ふるさと納税の上限も下がります。
払った額がはっきりしないうちは、迷ったら少なめに寄付するのが安全です。
計算サイトには退職までの給与だけを入れる
ポータルの上限額シミュレーションを使うなら、年収の欄には退職までの給与の合計を入れます。
退職金は入れません。
詳しく入力できる計算サイトなら、社会保険料の欄に、在職中の保険料と退職後に払った国保・国民年金を合わせて入れると、より近い額が出ます。
計算の前に手元にそろえるもの
- 給与所得の源泉徴収票(無ければ給与明細)
- 退職後に払った国保・国民年金の額
- 配偶者など家族の今年の収入
ふるさと納税 退職月別の上限額の目安表

月給50万円の人なら、9月末の退職で独身は約5.2万円、配偶者ありは約4.1万円が上限の目安です。
3月末までの退職では、上限はほぼ0円になります。
退職が1か月遅いほど、上限は6千〜1万円ほど増えます(4月末以降・月給50万円の場合)。
表は、次の前提で当サイトが計算した目安です。
- 2026年分の目安。月給50万円・賞与なし(12か月なら年収600万円)で、その月の末に退職し、その後は収入なし
- 退職金は入れていない
- 社会保険料は給与の15%。退職後の国保・国民年金、生命保険料などの控除は入れていない
- 独身と、配偶者控除あり(配偶者の収入なし)の2通り
- 2026年分の給与所得控除と、住民税の控除で計算
| 退職月 | その年の給与 | 独身 | 配偶者控除あり |
|---|---|---|---|
| 1月末 | 50万円 | 0円 | 0円 |
| 2月末 | 100万円 | 0円 | 0円 |
| 3月末 | 150万円 | 3,000円 | 0円 |
| 4月末 | 200万円 | 13,000円 | 5,000円 |
| 5月末 | 250万円 | 21,000円 | 13,000円 |
| 6月末 | 300万円 | 28,000円 | 19,000円 |
| 7月末 | 350万円 | 34,000円 | 26,000円 |
| 8月末 | 400万円 | 42,000円 | 33,000円 |
| 9月末 | 450万円 | 52,000円 | 41,000円 |
| 10月末 | 500万円 | 61,000円 | 49,000円 |
| 11月末 | 550万円 | 69,000円 | 60,000円 |
| 12月末 | 600万円 | 77,000円 | 69,000円 |
※退職後に国保・国民年金を払った人は、この表より上限が下がります。
※給与が少ない行(4月末まで)は、上限が少なめに出る前提で計算しました。
迷ったら、この表の額より少なめに寄付すると安全です。
※当サイトの計算による目安で、実際の額は家族構成やほかの控除で変わります。
9〜11月末の行は、表の額より数千円少なめに寄付すると安心です。
自分の退職月と家族の行を選ぶ
たとえば9月末に辞めた独身の人なら、「9月末」の行と「独身」の列が交わる52,000円が今年の上限の目安です。
配偶者を扶養に入れている人は、右の列の41,000円を見ます。
この額から少し余裕を残して寄付額を決めると、超える心配がありません。
3月末までの退職なら見送るのも手
3月末の退職で独身の上限は3,000円。
自己負担の2,000円とほとんど変わりません。
当サイトでは、3月末までに辞めた人は、今年は寄付を見送るのも1つの判断と考えています。
返礼品を楽しみたい場合も、寄付は少額にとどめましょう。
月給が違う人は年収別の表で見る
月給が50万円でない人は、今年の給与の合計を「年収」とみなして、年収別の目安表を引いてください。
月給30万円で9月末に辞めたなら、給与の合計270万円の行が目安。
その年の給与の合計で、年収別の上限の目安をこちらで引けます。
表の使い方
- まず自分の退職月の行
- 次に独身か配偶者控除ありの列
- 国保・国民年金を払ったら少なめに調整
ふるさと納税 退職翌年・無職の年の考え方

今年寄付した分は、来年届く住民税から引かれます。
来年1年収入がなければ、来年の寄付はほぼ自己負担です。
寄付するなら、給与があった今年のうちに。
時間の流れで並べると、次のとおりです。
- 今年:退職し、退職までの給与で決まる上限の範囲で寄付する
- 来年:今年の所得で計算した住民税が届き、今年の寄付分がそこから引かれる
- 来年の寄付:来年の所得がなければ再来年の住民税がなく、引ける税がない
今年の寄付は来年の住民税から引かれる
住民税は、前の年の所得をもとに計算されます。
会社を辞めた翌年にも、在職中の給与にかかる住民税が届くのはこのためです。
今年の寄付分は、その来年の住民税から引かれます。
退職すると、来年の住民税は自分で納める形(普通徴収)になることが多いでしょう。
無職の年は寄付しても税が引かれない
所得がない年は、翌年に引ける住民税がありません。
その年に寄付しても、2,000円を超える分はほぼ戻らないということです。
無職の年は、ふるさと納税を「しない」のも立派な選択肢です。
年の途中で再就職したら、その年の給与で計算
翌年に再就職した場合は、その年の再就職後の給与で上限を見積もります。
考え方は退職した年と同じです。
働き始めた月を「その年に給与があった月数」として、合計額で年収別の表を引けば目安になります。
年金をもらい始めたら年金の上限を見る
年金を受け取り始めると、年金にも住民税がかかるため、ふるさと納税の上限が出てきます。
年金を受け取る年の上限の目安は、こちらで確かめられます。
ふるさと納税 退職した年の確定申告とワンストップ

年の途中で辞めると年末調整がないことが多く、確定申告をするならワンストップ特例は使えません。
その場合、寄付はすべて確定申告書に書きます。
確定申告をする人は、ワンストップの申請は無効。
寄付を全部申告書に書きます。
年末調整が無ければ確定申告でまとめる
年の途中で退職した人は、原則として年末調整を受けられません。
12月の給与を受け取ってから辞めた人などは対象になります。
年末調整がない人は、確定申告で払いすぎた所得税が戻ることが多いので、ふるさと納税の寄附金控除もそこでまとめて申告しましょう。
寄附金控除で確定申告をするときは、退職所得も申告書に書きます。
ワンストップが使えるのは申告しない人だけ
ワンストップ特例は、確定申告をしなくてよい人が、寄付先5団体以内の場合に使える仕組みです。
退職して住所などが変わったら、翌年1月10日までに変更の届けを出します。
あとで確定申告をすることになったら、それまでのワンストップの申請は無効になります。
申請済みの寄付も含めて、全部を申告書に書いてください。
①〜④ 寄付から控除までの手順
- ①寄付先を決める:退職月の表で上限を確かめ、少し余裕を残した額で選ぶ
- ②12月31日までに寄付する:今年の控除に入るのは、年内に済ませた寄付
- ③受領証明書を保管する:確定申告で寄付を書くときの手元の控えになる
- ④翌年に控除の手続きをする:確定申告なら翌年の2月16日〜3月15日(例年の期間)に寄付を全部書く。申告しない人だけ、ワンストップの申請書を翌年1月10日までに出す
確定申告とワンストップの分かれ目
- 退職した会社で年末調整を受けたか
- 医療費控除など、ほかに確定申告する理由があるか
- 寄付先が5団体以内か
\ 12月31日までの寄付が今年の控除に /
ふるさと納税 収入が減る年に選びたい返礼品

上限が数万円の年は、毎日使うお米や日用品を選ぶと、届いてからの家計の出費が減ります。
収入が減る年だからこそ、返礼品で「買わずに済む」ものを増やしましょう。
上限が数万円なら、1〜2品を毎日使うものに。
届いたお米を炊くたびに、お米を買いに行く回数が減ります。
棚に並んだトイレットペーパーやティッシュの箱を見れば、ストックが切れる心配もありません。
1万円台の品なら、上限3万円ほどでお米1品と日用品1品が目安です。
5万円を超える人は、お米と日用品を組み合わせると枠を使い切りやすくなります。
お米|毎日の主食で家計を助ける
毎日食べる主食が届けば、いちばん家計の助けを実感しやすい返礼品です。
評価4.5以上のお米から、1万円台で選べる品を比べられます。
日用品|ストックが減る心配をなくす
トイレットペーパーやティッシュは、毎月必ず使うものです。
まとめて届けば、買い足しの手間とお金が浮きます。
トイレットペーパーは、1万円で何ロール届くかで比べられます。
ティッシュは、1万円で何箱届くかで選べます。
ふるさと納税と退職金のよくある質問

退職金とふるさと納税について、迷いやすい点をまとめました。
自分の状況に近い質問から読んでください。
Q1. 年金形式で受け取った退職金は上限に入りますか?
年金の形で分けて受け取る退職金は、一度に受け取る退職金と違い、雑所得として上限の計算に入るという解釈が一般的です(moneiro の解説)。
受け取り方で扱いが変わるので、年金形式の人は年金の額も含めて上限を見積もってください。
Q2. 退職金がとても多いと上限は変わりますか?
ごく高額な退職金を除き、退職金の額で上限は変わりません。
退職金の多い少ないより、退職までの給与がいくらだったかで上限を考えてください。
Q3. 会社以外から受け取った退職金はどうなりますか?
支払う側に税金を差し引く義務がない相手から受け取った退職金は、扱いが変わることがあります。
心当たりがある人は、住んでいる市区町村の住民税の窓口で確かめてください。
Q4. 計算サイトに退職金は入れますか?
入れません。
年収の欄には、退職までの給与の合計だけを入れます。
入れ方は退職月別の目安表の前の章で説明しています。
Q5. 今年の寄付はいつまでにすればいいですか?
12月31日までの寄付が今年の控除に入ります。
年末は申し込みが混み合うので、支払いまで余裕をもって済ませると安心です。
Q6. 来年届く住民税から、今年の寄付分は引かれていますか?
引かれています。
今年の寄付分は、来年届く住民税の額から差し引かれます。
届いた住民税の通知書で、寄附金の税額控除の欄に金額が入っているかを見れば確かめられます。
Q7. 年内に退職する予定です。今寄付していいですか?
退職予定の月の行で上限を見積もり、少なめに寄付するなら今でもかまいません。
退職日がはっきりする12月まで待ち、給与の額が確定してから残りの枠を寄付する方法もあります。
さいごに
退職した年のふるさと納税は、次の3つを押さえれば迷いません。
- 退職金は上限に入らない
- 上限は退職月の行で見る
- 寄付は給与があった今年のうちに
収入が減る年だからこそ、2,000円で届くお米や日用品を、今年の控除に間に合わせましょう。
\ 今年の寄付は12月31日まで /
2026年10月28日(本記事の調査日)時点の情報です。








